電動バイクを自作しよう!!!~ズーマーのEV化~
ズーマーをEV化したのでそのレポートです。
動画
目次
1.はじめに
世界各国で「脱ガソリン車」が叫ばれる昨今。日本でも35年までに新車販売の脱ガソリン化を提言しています。
脱ガソリン車?政府が「2035年ガソリン車新車販売の禁止」を打ち出した理由とは | Loops Style ブログ | Loops Style
あのトヨタも世界の流れには乗るほかなく、将来的にEVの時代になるのは致し方ないという時代です。
もはや立ち入る隙はない? EV含め全方位開発に邁進するトヨタが牙を剥いた相手は誰か!? - 自動車情報誌「ベストカー」
となると、いつまでも2stエンジンのポート加工ばかりをしている訳にもいきません。ガソリンにはガソリンの魅力がありますが、それはEVを学ばなくては良いという理由にはなりません。来たるその日にEVの知識がなければメンテナンスすらままならないのです。
ということで、EVとはどのようなものなのか、理解を深め技術的好奇心を満たすため電動バイクの製作をしようと思います。
2.用意したもの
・ハブモーター(インホイールモーター)
・バッテリー(今回は軽自動車用鉛バッテリー)
・モーターコントローラ
・KLX250用スイングアーム
・配線等電気部材
前書きで随分イキりましたが、EV化は想像以上に楽です。部品さえ手に入ればエンジン車よりはるかに楽に組み上げることができます。部品の汎用性も高いので応用もしやすいはず。
3.モーターについて
モーターはインホイールモーターを使用しました。
これはホイールそのものがモーターになっているもので、部品点数や回転抵抗のロスを少なくすることができます。ただ、ホイール自体が10キロ近くあるのでバネ下重量が重くなるというデメリットもあります。
使用したモーターはこちら
evkoumei.shop-pro.jpこれの800Wのものを購入しました。600Wだと原付一種扱いとなり不便ですが、1000W以下である800Wなら原付二種扱いとなり面倒な二段階右折や30キロ制限がなくなります。
もう少し安くモーターを買いたいという方はこちらもあります。
kellycontroller.comケリーから販売されているインホイールモーターです。おそらくKOUMEIから販売されているものと同じモーターですが、写真から見るに違いとしては
1.ケリーモーターの方が高出力(1000w~)
2.KOUMEIモーターの方にはブレーキが付く(ドラムorディスク)
そのほかKOUMEIにはロゴが付く、緑色のめっきが付くという変更点があります。
おそらくブレーキを付ける加工のため値段が高額になっているのでしょう。ですが正直なところブレーキは付けなくてもモーター自体がブレーキとして使用できるためあまり必要ない部品とも言えます。バッテリーが切れたときにも使えるブレーキ、という意味では有用かもしれません。
4.バッテリーについて
バッテリーは費用削減のため軽自動車用鉛バッテリーを使用しました。
www.monotaro.com鉛バッテリーは充電回数や高電流には弱いので正直EVには不向きだと思います。本当はちゃんとしたリチウムイオンバッテリーが欲しい所ですが、かなり高額になってしまうため鉛バッテリーで我慢しました。
・バッテリーの充電
48v用のバッテリー充電器は売られているものの、ちゃんとしたものは5万近くして高額、安物も売られているもののACアダプタみたいな感じでちゃんと充電してくれなそうで怖い。そこで24v用の充電器を二つ購入。Amazonの安物ですが一応使えています。
バッテリー 充電器 メンテナンス充電器 バッテリーチャージャー 8A大電流 12/24V 兼用 電動自転車 過電流保護 自動車 バイク用 全車種適用
真ん中の配線を外して24v*2として充電しています。
5.モーターコントローラ―について
ケリーのモーターコントローラーが一番安心できると思います。
kellycontroller.comモーターやコントローラーはAmazonなどで中華製の安い物も出回っていますが、どちらを採用するかはお財布との相談と信頼性です。
自分はKLS4812Sというコントローラーを使用しました。ケリーのHPを見ると既に廃盤の品みたいですが、上記リンクのものと大差はないと思います。
ケリーのモーターコントローラはRS232ケーブルやBluetooth経由でモーターの細かいセッティングができるのでかなり便利です。エラーが出た時もちゃんと報告してくれるので安心して使うことができます。
・コントローラーのセッティングについて
ケリーのモーターコントローラはスロットル開度、出力、ブーストや回生機能など様々な項目を自分でセッティングできるという便利機能がついています。
セッティングにはコントローラーの他に専用ケーブル(RS232)若しくはBluetoothアダプタが必要です。
・RS232
自分はBluetoothでのセッティングは試していません。のでここからはRS232で接続した時の話になります。
手持ちのPCにRS232用の端子がない場合はUSB変換ケーブルを使用します。
ソフトはここからDLします。
手持ちの機種に合わせてマニュアルとソフトをDLします。自分の場合はKLSでした。
これは自分の環境だけかもしれませんが、win10で起動するとどうしてもモーターを読み込んでくれませんでした。XP版のソフトで互換モードを使用しSP3で起動すると問題なく起動します。それでもダメな時はコントローラーの再起動です。
Bluetoothでの接続は試していないので未確認です。
スマホからセッティングできるのでかなり便利なはずです。自分は費用をケチって買いませんでしたが…。
セッティング画面
上の画像のような項目をセッティングできます。
面倒なので解説は省略。ケリーのHPにマニュアルがちゃんとあるのでそれを読みましょう。英語版しかありませんが、グーグルドキュメントに放り込めばそれなりに翻訳してくれます。(原文と照らし合わせて読む必要はありますが)
6.灯火系
電源の48vを降圧する方法もありますが、中華のレギュレータは安いけど信頼性がイマイチ。質の良さそうなものは高額なので48vでそのままLEDを動かすことにしました。できる限り省エネを目指します。
ウインカー
こんな感じで純正ウインカの中にLEDを仕込みます。
48v駆動にする関係上市販のウインカーリレーは使用できません。点滅回路を自分で組むこともできるようですが、ちょっと面倒…そこで点滅機能付きのLEDを用意しました。
akizukidenshi.com繋ぐだけで点滅してくれるのですぐにウインカが作れます。自分はLED2本を直列で繋いだのですが、点滅の周波数がLEDごとに微妙に異なるらしく、点滅にばらつきが出ます。シーケンシャルウインカーだと思うことにします。
LEDの抵抗選定はこちらのサイトが役に立ちます。
電源電圧が50V(満充電時)と高いためワット数の大きめの抵抗を使わないといけません。自分は3Wのセメント抵抗を使いました。
ヘッドライトとテールランプ
ヘッドライトはパワーLEDではなく普通の砲弾型LEDを使用しました。パワーLEDはめちゃくちゃ明るいですが発熱の処理が面倒です。
これは砲弾型ですが10.8v45mAまで流せます。1本だけでもそれなりの明るさがあるので十分。しかもズーマーは2灯なのでこれを2つ付けられます。
テールランプも上のLEDと同じものを1本使用。純正のテールランプに組み込みました。
ブレーキランプ
これはブレーキと連動させる必要があるので12vで動かしています。
後述のブレーキの項目で詳しく書きます。
7.ブレーキ
前輪はそのままドラムブレーキ、後輪はモーターブレーキ(回生)を使います。
本当は後輪にもドラムブレーキが付いていたのですがスイングアームに干渉するため使用していません。
コントローラの12v出力とコントローラのブレーキスイッチを短絡させることで回生ブレーキが効きます。ズーマー純正のブレーキスイッチを繋げて前輪と後輪のブレーキを同時に効かせるように作りました。ここの12vに直列してLEDをつなぐことでブレーキランプも使えます。(ただしマニュアルにはCapacity is Lowと書かれておりLEDを1個繋ぐに留めました。2,3個のLEDは付けられるでしょうが電球はやめておいた方がいいでしょう。)
ほか加工したもの
・スイングアーム
エンジンを取り外した場所にスイングアームを取り付けます。
スイングアームはKLX250用の物。ホイールについているシャフトは固定されていて外すことができないので、シャフトの取付部がC字になっているものを選びました。
ブレーキ側に付属のプレート(回り止め)を2枚挟んでいます。
スペースの都合上ドラムブレーキは外してあります。
反対側、かなりギリギリの状態でついています。
正直このスイングアームを選んだのは成功とは言えません。
取り付ける際、スイングアームの内側が中空になるのでカラーなどで間を埋めてあげた方がいいと思います。(スイングアームの横揺れ防止)カラーを自作するのは面倒なため手持ちのナットを連結させてカラーとして代用しました。スイングアームの持ち手部分はセットカラーを重ねて取り付けています(自分の使用したKLXスイングアーム外径20㎜)。
スイングアームの中空になる部分には適当なM12ナットを入れています。本当はちゃんとしたスペーサーを使うべきです。
こうして無事スイングアームは取り付け完了。
そしてリアサスを取り付ける訳ですが、サスはアップガレージに転がっていたAPtrike125用のスイングアームを使用しました。
サス上部がフレームに干渉するためアダプターで高さを稼いでいます。
ちなみに使用したサスはアップガレージに転がっていたAPtrike125用のリアサス。トライク用という事でそれなりにしっかりしたサスです。
車高を考えると330㎜以上のサスが欲しいといった印象です。
下の取り付け部はスイングアームに元々あったM8の穴を使用しています。
取付方法が少し心もとないですが…今のところ大丈夫です。心配な方はスイングアームにドリルで穴を空けてそこに取り付けるのがベストだと思います。
また、エンジンが無くなったためメインスタンドが無くなります。
そのためズーマー用サイドスタンドを購入し、いい感じに止まってくれます。
ホンダ 用 サイド スタンド ズーマー AF58 黒 ブラック スクーター 汎用品 バイク カスタム パーツ
・配線など
モーターの電源線などはそれなりに高い電流が流れるのでそれなりに太いものを選びましょう。
個人的にはこれが長さ、太さ的に丁度良い感じがします。ヒューズもついてきてお得!
エーモン(amon) 大容量電源取出しコード AV5.00sq 6m 赤 1188
800wのモーターに流れる電流はこれが目安になりました。
https://www.kellycontrollers.eu/hub-motor-48v-800w
パフォーマンスの表を見る限り最大でも32Aらしいので灯火類などを見積もって大目に50Aくらいのヒューズがあればいけると思います。
これは簡単です。自分の管轄の市役所では「原付を電動にしたんですけど~」と言えば変更理由の書類とともに登録変更の書類をもらえました。そこに「800wインホイールモーターを取り付けたため」と記載し完了。
自分も知らなかったのですが、600w以下は白ナンバー、600~800wは黄色ナンバー、800~1000wまでがピンクナンバーになるみたいです。
自分は800wのモーターだったので黄色ナンバーです。ピンクより税金が少し安い!
9.実際に走行した感想
で!!実際に走行したわけですが……
40キロしか出ない!!!!せっかくの黄色ナンバーなんだからもう少しスピードが欲しい……これなら白ナンバーのままの方がまだマシ。何かセッティングや組付けの不具合があるのか?そもそも800wのインホイールモーターはこれが限界のなのか??イマイチ不明な部分は多いです。ですがトルクはあります。0-30の加速に関しては100㏄に乗ってるくらいの感じはあります。坂なんかもぐいぐい登っていく。
航続距離は試していませんが鉛バッテリー48v28ah(5hr)で2~30キロ程度でしょう。
近所のお買い物程度が限界かと思います。
10.参考になるサイト等
・Kelly Controls - Motor Controllers, EV Parts
・秋月電子通商 トップページ - 電子部品・半導体 【通販・販売】
・工具通販 MonotaRO(モノタロウ) 現場を支えるネットストア
おわりに
今回のEV化は問題点として航続距離、充電場所の問題は避けられませんでしたが、近い将来ガソリンのようにどこでも給電できるインフラが整うと思います。
response.jpこれが普及すれば今回のEVズーマーも軽量化、航続距離アップを見込める訳です。
バッテリーが高容量化できれば高出力のモーターを原付に取り付けて計二輪化し、原付の車体で高速道路を走ることも容易になります。EV化は思いのほか楽に部品を組むことができるので(エンジンスワップと比較して)バイクいじりの新たな可能性として期待できます。これからのバイクがどうなっていくのか、とても楽しみですね。
ありがとうございました。
追記:リチウムイオンバッテリー導入しました
自作電動バイク 禁断の中華リチウムイオンバッテリー導入! - おぼえがき
V125S 駆動系のリフレッシュと強化 【デイトナ バイク用 駆動系リフレッシュキット】
3万キロ近く走っているアドレス、最近はどうも調子が悪い。
160にボアアップしているにもかからわず信号待ちからのスタートダッシュで原2スクーターに負けます。しかも最高速は80超えるくらいまでしか上がりません。
別に飛ばす人ではないので必要最低限のスピードさえ出てくれればいいのですが、さすがに白ナンバーを付けておきながら原付に負けるのは情けないです。
そういえば駆動系は1万キロくらいの時にベルトを交換しただけだったなと思い、おそらく不調の原因は駆動系のへたりではないかと検討をつける。
今の駆動系はすべてノーマルだったので、せっかくならと社外品を入れてオールリフレッシュします!!
デイトナ バイク用 駆動系リフレッシュキット タイプ2 アドレスV125 96534
安かったのでデイトナのキットを使います。
で、アドレスの駆動系をなぜフルノーマルにしていたかという話。
アドレスに強化ベルトやハイスピードプーリーを入れる際の問題点として、トルクカム側の溝問題があります。強化ベルト(純正より長い)などを使用して変則域を上げようとすると、トルクカム(クラッチ側のベルトが入る所)の内側にある溝にベルトがハマってしまい、ベルトの寿命を極端に縮める(最悪切れる)要因になってしまうのです。「V125トルクカム」等で検索すれば詳しい画像付きで色々書かれています。
なので、アドレスの駆動系を変える際は駆動系丸ごと社外品にしないといけない。
ちょうど駆動系も交換時期かなというこのタイミングでリフレッシュしようという訳です。
組付けについてはデイトナさんの詳しい説明書がついてくるのであえてここで説明する必要はないのですが、少しだけ補足みたいなもの。
クラッチのナットを外す際、センタースプリングが飛び出すのでおさえてやる必要があります。
説明書では専用工具を指定されていますがギアプーラーと19㎜のソケットレンチで十分に代用可能です。もっと言うなら、足とか手で押さえながら外しても問題ないレベル。スプリングがへたっているせいもあるかもしれませんが、そこまで強力なバネではありません。
(STRAIGHT/ストレート) クラッチナットレンチ 34×41(mm) 19-696
あと、クラッチ部分のナットは34㎜です!!自分は間違えて違うサイズのものを買ってしまい結局買いなおす羽目に!!サイズはちゃんと見ましょう。
そんなこんなで無事?交換終了。
プーリーフェイス、クラッチハウジング、クラッチ、センタースプリングは元の物をそのまま使用するのでぱっと見の外観はほぼ変わらないんですよね。
あとは慣らし運転(説明書によると2~30キロ)をして最高速テストをしたいと思います!
ちょっと乗った感じだと、付属のウエイトローラーが純正よりかなり軽めなので中々やかましいエンジンになるイメージ。
ですが今まで発進や変速の時に感じていた変な振動が無くなりました。やはりガタがきていたんだなあという印象。
慣らし後の感想は後程追記したいと思います。
ヤマハ 2stギア 塗装しました
少しずつ塗装していたギア、ようやく完成?にまでこぎ着けました
いちおうパールピンクです!
塗装前の車体がこんな感じ
パッサパサになった樹脂カウルを全て塗装、ステップに至るまで樹脂ブラックで塗装してあげました。
遠目で見ると綺麗ですが
メーター周りもいい感じ
隅の方など塗り残しは多い
塗装に失敗(湯煎したスプレーから水が垂れてはじきを出してしまった)したところはステッカーで隠蔽しています
マフラーも耐熱ブラックで塗装。錆はある程度落としましたが錆のぼこぼこは残ってしまっています。
エンブレムもつけました。
スズキ車のスペーシアギアのものですが笑
車名が同じということで…!!
(スパーダでも同じことができるな)
デイトナ バイク用 缶スプレー 300ml MCペインター P03 ピンクパールB 68649
デイトナ バイク用 樹脂コーティング 300ml 未塗装黒樹脂 PP樹脂 ブラック 96396
総括
初めてちゃんとした塗装!というものを本気でやろうとしましたが、完璧を求めると絶対無理です。プロに任せた方がいい。
どんなに気をつかって塗っても屋外だとゴミが入るし、間違いなく塗りムラが出る。
パーツをはめる時にぶつけて塗装が剥がれてしまったり、トラブルまみれです。
パール部分は塗るのにミッチャクロン一回、プラサフ二回、パールピンク三回、クリア二回とかな~り頑張った(それでも研磨してないだけ手抜き)手間を考えると業者にお金出してちゃんと塗ってあげた方がいいですね。
ただ、これだけ頑張るとめちゃくちゃ愛着が湧きます!ギア、しばらくは手放せそうもありませんね笑
燃料警告灯をLED化する
発端はズーマーの燃料警告灯。
フューエルメーターがないズーマー。じゃあ何で燃料を確認するかと言うと、燃料警告灯というものがついています。
残り1リットルくらいになると光るやつですね。車で言うガソリンランプです。
で、これがそのセンサー。腐ったガソリンに浸かっていたのでいたのできったないですね…。
仕組みとしては、配線の先端にサーミスタがついているだけ。
サーミスタというのは水温計なんかでもよく使われる部品で、温度の変化で抵抗値が変化します。その抵抗値を読み取って出力するのが温度計になります。
そして今回はその逆の作用を使います。サーミスタに直接電気を流す。するとサーミスタが発熱し、抵抗値が減少する。抵抗値が減少したことで電圧が上がり、つながっている電球が点灯する。これが燃料警告灯です。
ガソリンが浸かっている間はサーミスタが冷やされるので電気を流しても抵抗値は下がりません。ガソリンがなくなりサーミスタが発熱できるようになると抵抗値が減少、電球が光るという訳です。
最初この仕組みを知ったとき目からウロコでした。サーミスタと言えば温度計というイメージしかなかったのですが、逆に電気を流してレベルセンサーにできるのか!!と。
裏を返せば燃料警告灯はガソリンの温度も測れるという訳です(意味はない)
とりあえず動作実験してみましょう。
ごちゃごちゃしてわかりにくいですが
12V――サーミスタ――電球――GND で繋がっています。
バッテリーを繋いでしばらくは電気が点きませんが、10秒くらいすると
点きました!単純な構造だ~~!
で!ここから本題。
燃料警告灯をLEDにしたい!という場合、この電球をLEDに換えただけではダメです。
LEDは少ない電圧で光ってしまうので、サーミスタを繋いでもそのままLEDが点灯してしまうのです。
どうしたらいいんだ……そりゃマイコンでも使えばできるだろうけど、こんな事にいちいち使いたくはない。ネットで記事を探していると。
先人がいました!どうやらリレーを電球代わりに入れてあげればLED化できるみたい。
なるほどな~~確かにその通り。
で、リレーですがそんなの手元にない……買いに行くのも面倒と思っていたら
ありました!!ズーマーのメインリレーです。
ECUレス化にともない使っていなかったのですが、ここでさっそく日の目を見ることになるとは
配線としては 緑/白と赤/緑(リレーから縦に出ている端子)がコイル側
赤/黒と赤(リレーから横に出ている端子)が可動接点側 です。
で、試したのがこちら
おおっできた!!!
電気を流してしばらくすると、カチッっという音とともにリレーが作動。LEDが点灯します。
12V――サーミスタ――リレー(コイルの方)――GND
12V――リレー(可動接点)――LED――GND
ですね。
キジマ(Kijima) インジケーターランプLED 12V 汎用 レッド 217-6037
まあ、そもそもズーマーの燃料警告灯はLEDなのでこんなことをする必要性はないのですが。お勉強の一つという事で……!
2stギア デイトナ 樹脂ブラック塗装
レストア?中の2stギア、業務用に酷使されたであろう車体はカウルはヒビだらけ、樹脂は色褪せてパッサパサのひどい状態でした。
業務で使われていたからなのか幸い、動く部分のメンテナンスはきちんとされていたらしく、駆動系やエアクリーナ、キャブ内部までかなりいい状態で保たれていたのが幸いです。
そしてこれが外したサイドカバー(下)
もうパサパサ、あちこち擦り傷はあるし。でも全体の中ではこれはまだいい方です。
でも樹脂パーツの塗装って難しい。そもそも塗料の定着がよくない。
で、試すのがデイトナの樹脂ブラック!
樹脂パーツ専用の塗料で、ABS,PPなんかに使えるらしい。
デイトナ バイク用 樹脂コーティング 300ml 未塗装黒樹脂 PP樹脂 ブラック 96396
しかも下地なしでそのまま塗れるという手軽さ!さっそく塗ります。
まずパーツをかるく400番で研ぎます。
そのあとパーツクリーナーで脱脂して塗装に入ります。
1回目はかる~くパラパラと。
2回目はまんべんなく全体に
3回目はムラがないか探しながら丁寧に
できました!!
ツヤッツヤじゃあないですか!
わりと雑に吹いてもタレにくいです。
それでいて食いつきも良好です。さすがに下地のキズや凹凸は消えませんが、そこが気になる人は下処理をちゃんとやりましょう。
色と艶に関してはこれ新品か!?ってくらいに樹脂っぽくなります。
今までエンジンオイルの廃油を塗って艶を出していたけど、塗り直す、という選択肢はかなりいいかもしれません!!
ズーマー エアスクリューのD型スクリューをどうにかする
ズーマーにエアスクリューがあるなんて知らなかったんですが、どうもキャブについてる金色の丸がエアスクリューみたいです。
ただの飾りかと思ってたよ。
そんでもってこれを回すにはD型のドライバーが必要らしい。
(STRAIGHT/ストレート) D-タイプパイロットスクリューフレキシブルドライバー HONDA用 12-6666
カブやエイプなどにも使われてるらしいのですが、こんな所に特殊工具を使わさせるな!!!
マイナスドライバーでグリグリやりましたがネジ穴が先に死にそうだったので仕方なくD型ドライバーを買います。
しかし!これだと常にこのドライバーを持ち歩かないといけない!
ズーマーは収納か皆無だから、なるべく持ち歩きたくない。であれば。
取り外したコイツを
オリャ!!
金のこでマイナス入れてやりました。
ちょっと雑ですが回すぶんには問題ないです。ちゃんと穴にはまったか確認してから回さないとネジ穴なめそうなのでそこだけ丁寧に。
これでズーマーのセッティングがすこししやすくなりました。
D型スクリュー、まじでやめてくれ……
ズーマー ECUレス化計画③~セルモーター編~
ECUレス化計画、ここが一番の鬼門です。
ズーマーのセルモーターは一般的なセルモーターとは違い、ブラシレスモーターという少し特殊なモーターが使われています.
これにより、セルによくある「ギャギャギャ」といううるさい音なしにクランクを駆動させることができます。
しかし難点として
コイルが回転しないので、ブラシと整流子は必要ありません。しかし、何らかの方法でロータの回転位置を検出して、コイルへの電流を切り替える工夫が必要になります。
ブラシレスにするためには、この電流の切り替えを、機械的な接点以外で行う必要があります。そこで、ブラシレスDCモータを駆動するには、半導体素子を用いた駆動回路を用いて、機械的な接点を使わずにコイル電流を切り替えます。
ブラシレスDCモータは、半導体素子の発達とともに発展してきたモータで、専用の駆動回路なしで回ることはできないモータです。
上記にあるように、単にプラスとマイナスを繋げば動くというものではなく専用の駆動回路なしには回らないモーターとなっています。
すご~く簡単に言うと、コイルに繋がる3本の配線に交互に電流を流して回転をさせている訳です。ホールICは回転軸が今どこにあるのか検出して、どこに電気を流せばいいのか判断するための部品です。
そして借り物ですがズーマーの配線図
右下の方、ズーマーのジェネレータにもちゃんとU,V,WとホールICの配線が出ています。
さて、これを動かすためにはどうするか。
本当にすごい人ならモータドライバを自作するのでしょうが、生憎自分にはそこまでの知識はありません。手ごろなモータドライバを探します。
そして見つけたのがこれ
モーターコントローラ 電動自転車スクーター E-バイクアクセサリー用 24V 350Wブラシレスコントローラ
ちまたで流行りの電動バイクのコントローラです!!わずか3000円!安い!
電動バイクキットでよく見るインホイールモーター、あれもブラシレスモータの産物なんですね。
ただし、説明書が全部中国語で読めません。こちらのサイトが解読の手掛かりになりました。
そして以下が付属していた中華説明書
上から順番に説明します。
・U(青)
・V(黄)
・W(緑)
この3本はモーターに繋ぐ3本
6極カプラ(ホールIC用配線)
・赤 IC駆動用の5Vが出力されます
・黒 GND
・黄 ホールセンサU
・緑 ホールセンサV
・青 ホールセンサW
位置検出用の配線です
太い赤 バッテリー+
太い黒 バッテリー-
2極カプラ(ドアロック)
・赤
・黄
自動車に使われれる時用の配線か?
ここは短絡させないと動きません。
2極カプラ(ブレーキランプ)
・黄
・白
後述するブレーキに連動するブレーキランプ。
今回は使用しません。
3極カプラ(モード切替)
・青
・赤
・黒
未確認。おそらく変速機構。使用しません。
2極カプラ(クルーズ機能)
・青黒
走行中に短絡させると一定の回転数を維持し続ける。使用しません。
3極カプラ(スロットル)
・赤 4.3Vが出力されます
・白 0~4.3Vを入力します。速度調整用の配線
・黒 GND
2極カプラ(ブレーキ)
・白
・黒
短絡させるとブレーキ信号が出ます。モーターが回らなくなるので常に解放させます。
1極カプラ2本(学習信号)
これを短絡させた状態で電源を入れると位置検出を自動で行います。以下引用
コントローラーにはそれらの違いを修正する自己学習機能があり、この機能を使用してモーターを安全に回転させます。
1) 配線番号③を短絡した状態で電源を入れます。(自己学習モードになります。)
2) 電源を入れるとゆっくりと回転を始めます。
・回転方向が合っている場合→3)
・回転方向が合っていない場合→4)
3) 回転方向があっていれば③の配線を開放します。
4) 回転方向が合っていなければスロットルをオンにすると反転します。
5) 反転した状態で③の配線を開放すると、その回転方向をコントローラーが記憶します。
6) 通常は開放したまま使用します)
細かくは確認できていませんが中華コントローラでも同じような仕組みになっているはずです。通常解放します。
ここからズーマーの配線に繋いでいきます。
ここに来る方は相当マニアックな人たちでしょうからカウルの外し方とかEUCの場所とかは割愛します。
電源 24V
12Vだとコントローラの保護回路が働くらしく、動作しません。
モータ(左ズーマー 右コントローラ側)
・赤/白ーー青
・赤/黄ーー緑
・赤/青ーー黄
※ここは大きな電流が流れるので太い配線を使いましょう。自分は電子工作用のワニ口クリップで回したらゴムがとろけました。
ホールIC(左ズーマー 右コントローラ側)
・緑/白ーー緑
・赤/白ーー黄
・白/黒ーー青
・黄/茶ーー赤
・緑ーーー-黒
スロットル信号
・ここは何でもいいので可変抵抗を使いましょう
minkara.carview.co.jp可変抵抗の1番を赤(4.3V)
2番を白(信号)
3番を黒(GND)
に繋ぎましょう
白から出力される電圧の変化によって回転数が変化します。
・その他
※学習信号 解放
※ドアロック 短絡
※クルーズ 解放
これで配線完了!!実際に回してみた動画がこちらです。
無事回ってくれました!!!
記事では簡単に書いていますがここまで到達するまでにはかなり苦労しました。
モーターの仕組み、コントローラの選定、配線の解析などなど…。
あとは配線をうまいこと車体にまとめて、レギュレータとモータコントローラの配線を分けるスイッチを探して、あと電源が今のところ24V なのでコンバータで昇圧して12Vで回せるようにできないか、色々試してみようと思います。
ですがここまでくればほとんど完成です。めでたしめでたし。