C50夢のロングクランク化!トラブルだらけ。
腰下にまで手を付けたらそれなりに上級者って感じで前々からあこがれはあったのですが、今回アップガレージでカブ90の腰上が安くなっていたので今回ついにロングクランク化を実行しようと思います。
用意するもの
・C90用カムチェーン(84L)
・C90用シリンダースタッドボルト
・強化オイルポンプ
・ロングクランク(49.5㎜)
・C90用オイルポンプスピンドル
・C90用腰上一式
ヤフオクで部品を探して来れば2万円くらいでしょうか。
これくらいあれば、あとは時間をかければ夢のロングクランク化です!
早速作業にとりかかります。
まずは腰上をばらしてクラッチ側のケースを空けます。
ここまではクラッチ交換なんかでばらしたことがあるのでそう難しくはありません。
そのはずなんですが……
オイルポンプのねじなめた!!!
横着してワンサイズ小さいビットでまわしたのがいけなかった……。こうなるともうどうしようもありません。
インパクトを回してもただねじ山を削るだけ、どうしようかとネットで解決策を探していると、いい記事を発見。
ねじの外周を六画状に削る!!
これもまた大変でひたすら金ヤスリで六面削ります。手が痛い。
上の画像くらい削れば9㎜レンチが入るようになります。
これでようやく外れました。
これが今回交換するオイルポンプ。部品番号15100-KWB-600 税込み2750円で社外品のものを買うより安い!
タイカブ用で100㏄対応なので性能的には十分のはず。
いよいよ腰下の分解です。
マイナスとハンマーでこじってもいいですがクラックケースセパレーターがあるとずいぶん楽です。
KOSHIHARA L225 クランクケースセパレーター 台湾製
いよいよミッションとご対面です。
写真は綺麗にガスケットを剥がして処理したあとの画像です。
ここで注意するのがケースのノックピン。古いエンジンだと大体さび付いていて簡単には抜けません。自分はニッパーでどうにか救出しようとしましたが無理でした。2本とも潰しました。
こちら今回使用したヤフオクのクランクシャフト。一応新品で7000円。
50のクランクと比較。写真だと分かりにくいですが少し長いです。
ケースに組み込んでいきます。シャフトを抜くときもそうだったのですが、思いのほか簡単に入ります。ケースを炙ったりベアリングを冷やしたりするかなと覚悟していたのですがまったくそんなことは必要ありませんでした。
クランクシャフト交換で障害になるのがこのオイルポンプスピンドル。
上の写真は50用のシャフトで、これに90クランクを入れると干渉して入らないのです。
本当は専用のスピンドルとカラーを使うのですが、自分はこのスピンドルを加工しました。
なんとまあひどい工作精度!!
旋盤でもあればいいんでしょうがグラインダーとバイスと自分の精神力だとこれで精いっぱいです。これでもだいぶ削りました。
あとはケースをはめるだけ。
キックスピンドルの向きには注意です。
あとは腰上を組むだけ~と一息していたら、ひとつ重大なミスを発見。
カムチェーンとシリンダースタッドボルトを入れ替える!と思ったら
カムチェーンとスタッドボルトを間違えてC50用のものを注文してた!!!
スタッドボルトは左右で長さが違います。
左側の方が7㎜くらい長い。
そして50と90ではシリンダー長が6㎜長い。てことはスタッドボルトを左右入れ替えれば右側はなんとかなる!問題は左側。最低でも5mmは足りません。
苦肉の策!ヘッドカバーを4㎜ほど削りました!!!
グラインダーでおおまかに削ってあとはヤスリで面を出す!!
このくらい削って4㎜稼げます。
あと1㎜はシーリングワッシャーを0.1㎜の銅板でつくった自作ワッシャーでかせぐ。これで本当にギリギリです。
オイル漏れしないか不安ではあります。そもそもボルト買えよって話ですが。もったいないので。
あとカムチェーンはどうにもならないので新品を買いました。
キタコ(KITACO) SDカムチェーン(DID25SD DHA/84L) モンキー(MONKEY)系/スーパーカブ90/カブ100EX等 299-0125084
そして組付け!!
シリンダーが長くなるのでマフラーの位置が少し前方にきます。ステーを加工しましょう。
無事動いています。
問題のスタッドボルトもとりあえずはオイル漏れもなし。
書き忘れていましたが腰上について。
このエンジン、ベースがC50のC50-81×××××番台エンジンだったのですが、これがかなり特殊なエンジンでした。6V後期のエンジンだと思われます。
中古なのでもしかしたら寄せ集めエンジンなのかもしれませんが、純正でピストンハイト(ピストンピン上端からピストントップまで)が14.5㎜なのです。一般的な12Vは12㎜、6Vは19㎜ですからすごい中途半端。今回C90のピストンを調べてみるとピストンハイトが14.5㎜で上のエンジンと同じ!ちなみにシリンダーヘッドは6Vと同じ。カムスプロケは3穴でカムシャフトも6Vと共通。燃焼室も6Vのそれでした。にもかかわらずクランクは12Vと同じ、オイルポンプも12Vのものでした。つまり12Vと6Vの境界線みたいなエンジンです。
というわけでシリンダーヘッドがそのまま使えました。
85㏄の刻印!いいですね~。
まだそんなに回す運転はしてませんがトルクは75㏄と比べて明らかに違います。
坂道で今まで40キロでしか登れなかったのが55キロくらい出せます。
あとは壊れないことを祈るだけ!
やろうとすれば90用のボアアップキットも入るので可能性も広がりますね!