ズーマー ECUレス化計画③~セルモーター編~
ECUレス化計画、ここが一番の鬼門です。
ズーマーのセルモーターは一般的なセルモーターとは違い、ブラシレスモーターという少し特殊なモーターが使われています.
これにより、セルによくある「ギャギャギャ」といううるさい音なしにクランクを駆動させることができます。
しかし難点として
コイルが回転しないので、ブラシと整流子は必要ありません。しかし、何らかの方法でロータの回転位置を検出して、コイルへの電流を切り替える工夫が必要になります。
ブラシレスにするためには、この電流の切り替えを、機械的な接点以外で行う必要があります。そこで、ブラシレスDCモータを駆動するには、半導体素子を用いた駆動回路を用いて、機械的な接点を使わずにコイル電流を切り替えます。
ブラシレスDCモータは、半導体素子の発達とともに発展してきたモータで、専用の駆動回路なしで回ることはできないモータです。
上記にあるように、単にプラスとマイナスを繋げば動くというものではなく専用の駆動回路なしには回らないモーターとなっています。
すご~く簡単に言うと、コイルに繋がる3本の配線に交互に電流を流して回転をさせている訳です。ホールICは回転軸が今どこにあるのか検出して、どこに電気を流せばいいのか判断するための部品です。
そして借り物ですがズーマーの配線図
右下の方、ズーマーのジェネレータにもちゃんとU,V,WとホールICの配線が出ています。
さて、これを動かすためにはどうするか。
本当にすごい人ならモータドライバを自作するのでしょうが、生憎自分にはそこまでの知識はありません。手ごろなモータドライバを探します。
そして見つけたのがこれ
モーターコントローラ 電動自転車スクーター E-バイクアクセサリー用 24V 350Wブラシレスコントローラ
ちまたで流行りの電動バイクのコントローラです!!わずか3000円!安い!
電動バイクキットでよく見るインホイールモーター、あれもブラシレスモータの産物なんですね。
ただし、説明書が全部中国語で読めません。こちらのサイトが解読の手掛かりになりました。
そして以下が付属していた中華説明書
上から順番に説明します。
・U(青)
・V(黄)
・W(緑)
この3本はモーターに繋ぐ3本
6極カプラ(ホールIC用配線)
・赤 IC駆動用の5Vが出力されます
・黒 GND
・黄 ホールセンサU
・緑 ホールセンサV
・青 ホールセンサW
位置検出用の配線です
太い赤 バッテリー+
太い黒 バッテリー-
2極カプラ(ドアロック)
・赤
・黄
自動車に使われれる時用の配線か?
ここは短絡させないと動きません。
2極カプラ(ブレーキランプ)
・黄
・白
後述するブレーキに連動するブレーキランプ。
今回は使用しません。
3極カプラ(モード切替)
・青
・赤
・黒
未確認。おそらく変速機構。使用しません。
2極カプラ(クルーズ機能)
・青黒
走行中に短絡させると一定の回転数を維持し続ける。使用しません。
3極カプラ(スロットル)
・赤 4.3Vが出力されます
・白 0~4.3Vを入力します。速度調整用の配線
・黒 GND
2極カプラ(ブレーキ)
・白
・黒
短絡させるとブレーキ信号が出ます。モーターが回らなくなるので常に解放させます。
1極カプラ2本(学習信号)
これを短絡させた状態で電源を入れると位置検出を自動で行います。以下引用
コントローラーにはそれらの違いを修正する自己学習機能があり、この機能を使用してモーターを安全に回転させます。
1) 配線番号③を短絡した状態で電源を入れます。(自己学習モードになります。)
2) 電源を入れるとゆっくりと回転を始めます。
・回転方向が合っている場合→3)
・回転方向が合っていない場合→4)
3) 回転方向があっていれば③の配線を開放します。
4) 回転方向が合っていなければスロットルをオンにすると反転します。
5) 反転した状態で③の配線を開放すると、その回転方向をコントローラーが記憶します。
6) 通常は開放したまま使用します)
細かくは確認できていませんが中華コントローラでも同じような仕組みになっているはずです。通常解放します。
ここからズーマーの配線に繋いでいきます。
ここに来る方は相当マニアックな人たちでしょうからカウルの外し方とかEUCの場所とかは割愛します。
電源 24V
12Vだとコントローラの保護回路が働くらしく、動作しません。
モータ(左ズーマー 右コントローラ側)
・赤/白ーー青
・赤/黄ーー緑
・赤/青ーー黄
※ここは大きな電流が流れるので太い配線を使いましょう。自分は電子工作用のワニ口クリップで回したらゴムがとろけました。
ホールIC(左ズーマー 右コントローラ側)
・緑/白ーー緑
・赤/白ーー黄
・白/黒ーー青
・黄/茶ーー赤
・緑ーーー-黒
スロットル信号
・ここは何でもいいので可変抵抗を使いましょう
minkara.carview.co.jp可変抵抗の1番を赤(4.3V)
2番を白(信号)
3番を黒(GND)
に繋ぎましょう
白から出力される電圧の変化によって回転数が変化します。
・その他
※学習信号 解放
※ドアロック 短絡
※クルーズ 解放
これで配線完了!!実際に回してみた動画がこちらです。
無事回ってくれました!!!
記事では簡単に書いていますがここまで到達するまでにはかなり苦労しました。
モーターの仕組み、コントローラの選定、配線の解析などなど…。
あとは配線をうまいこと車体にまとめて、レギュレータとモータコントローラの配線を分けるスイッチを探して、あと電源が今のところ24V なのでコンバータで昇圧して12Vで回せるようにできないか、色々試してみようと思います。
ですがここまでくればほとんど完成です。めでたしめでたし。